作曲家・壺井一歩さんによる「銀河鉄道の夜」を聴きに。
曲は全てマンドリンを中心とするオーケストラで奏でられ、スライドによって宮澤賢治の“言葉”が映し出される。
視覚に言葉…
耳に音…
これが物語の最後まで粛々と続く。
途中ソプラノの女性の声やオケを支えるコントラバスの音が、マンドリンやギターとなんとも心地よく混ざり合い、
時に人の声の様にも、言葉の様にも、
汽車の音や、羽音にも聞こえ、
あっという間にその世界に惹き込まれてしまった。
マンドリンのオケは、その昔、管楽器セクションでオーボエを吹いたことがあるので、音の感じは知っていたけれど、素敵な曲と演出によって、深く楽しむことが出来た。
壺井一歩さんには、現在、鍵盤ハーモニカの為の組曲も手がけて頂いている。
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このコンサートをまたぐ2日間はピアニストの美季さんと過ごした。
こちらも音出しにはじまり、ステキな音やリズムをカラダに入れ、少し先に向けての音楽を作る。
美季さんとの音は、
楽譜が在りきだとしても、柔軟に変化させたりバランスをとったりしながら、作っていく楽しさがある。耳が働く。
自分の鍵盤ハーモニカもありのままでそこにおける。
固まらない、視野を広くと願う今の自分には
心地良いところ。
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戦争は勿論のこと、
日常にも潜む、表と裏、タテマエ、小さな争いの心…
目を覆い、耳を塞ぎたくなるような情報が溢れることの多い中で、
難しくても、自分の心に正直に過ごしたい。
音も然り。