『耳のごちそうvol.15』
“DUO”
森野開/ヴィオラ
宮原裕子/鍵盤ハーモニカ
2つの楽器は全く違う発音体でありながら、音のディテイルを丁寧に擦り合わせていくことで、融合させたり、独立したりと…
音楽構築の時間はとても楽しい。
吹き手だからこそ、鍵盤ハーモニカという楽器の限界を決めつけてしまうこともありがちだが、他楽器奏者からのアイディアによって、その限界を超えることは結構あるものです。
ヴィオリスト森野さんからの提案には多々気付かされること多く…それは…音楽そのものの共有と一生続く学び。都度リハーサルは有意義な時間でした。
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楽器の限界を超えて〜という意味では、2020年、鍵盤ハーモニカとヴィオラの為の委嘱作品「雲雀殺し/作曲 中村匡寿」もまた然り。
今回も森野さんと挑むこの曲。そんな構築の時間を経て、少しずつ手中に修まっていく感を得ることは、奏者としてとても幸せな感覚です。
各ソロでは、Bach - Cello Suite no. 3 in C major BWV 1009をヴィオラが、Suite in F for Keyboard Harmonica〜Ⅲ.Autumn-Ippo TSUBOIを鍵盤ハーモニカが演奏。
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心が弱くなっている時は、音が溢れてしまう感覚ばかりが残ったのですが、今回のコンサートでは耳も心の状態も良く、音を奏でることが嬉しくてならなかった。
かねてより、この企画にお誘いくださいましたORT Music 黒田京子さん。会場となりましたIN VINO VERITASさま。スタッフの皆様。そして集って下さいました大切な方々。
その励ましとご配慮にも改めて御礼申し上げます。
音楽と、
そこに繋がる人と人に感謝。
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終えて本日、手元には…
中村匡寿氏からの新曲Soloと、
繋いで頂いた方からの魅惑の鍵盤ハーモニカ世界の音が残る訳でして、
あら大変!!
こうなると、
居ても立っても居られない…
さてと、次に向かいます。